FOUNDATIONS
エクリチュール
ÉCRITURE
エクリチュールとは?
エクリチュールは、クラシック音楽を土台にした作編曲の技法です。理論を学ぶだけでなく、実際に音を組み立てながら身につけます。例えばストリングスアレンジなら、和音の中の音をどう動かすかを学び、どの楽器にどの音を任せるかを実習で確かめます。
理論と実習を繰り返すことで、音の重ね方や動かし方に理由が見えてきます。クラシックはもちろん、ポップスやジャズなど、ジャンルや編成が変わっても生かせるアレンジの基礎になります。
初めての方も、すでに作編曲に取り組んでいる方も、今の経験に合わせて始められます。曲づくりの質を上げたいときはもちろん、演奏する曲を深く理解したいときにも役立ちます。
FIVE SUBJECTS
5つのエクリチュール
ここで扱うのは、記譜法・和声法・対位法・管弦楽法・楽式論の5つです。交響曲のような大きな作品を書くためにも必要になる内容ですが、すべてを最初から順に学ぶ必要はありません。つくりたい音楽や興味に合わせて、必要なところから取り組めます。


それぞれの科目で、どんなことを学ぶのかをご紹介します。
記譜法
NOTATION
記譜法では、楽譜の読み書きを学びます。初めて楽譜に触れる方の入口になるだけでなく、普段から楽譜を読んでいる方が、知識を整理する機会にもなります。
楽譜がなくても成り立つ音楽がある一方で、楽譜が欠かせないジャンルや編成もあります。紙からタブレットへと形が変わっても、楽譜は音楽を伝えるために使われ続けています。音楽をどう読み取り、どう書き表すか。記譜法は、音楽を楽しむうえで役立つエクリチュールの入口です。
和声法と対位法
HARMONY & COUNTERPOINT
和声法と対位法は、複数の声部(パート)を組み合わせ、ひとつの音楽にまとめるための技法です。合唱や吹奏楽のアンサンブル、J-POPのストリングスなど、各パートがひとつずつ音を受け持ち、一緒に和音をつくる場面で役立ちます。特に和声法を学ぶと、曲全体の中で自分のパートがどんな役割を持つのかがわかるようになります。曲をつくる方だけでなく、演奏する方にも関わる内容です。
この2つは、生まれた時代やアプローチは違っていても、目指すところは共通しています。まずは、音の重なりを「縦」から見るか、音の流れを「横」から見るかという視点の違いとして捉えると、入りやすくなります。学んでいくと、それぞれの違いとつながりが少しずつ見えてきます。記譜法の基礎が整理できたら、和声法から取り組むのがおすすめです。
管弦楽法
ORCHESTRATION
管弦楽法は、オーケストラのために音楽を組み立てる技法です。弦楽器・木管楽器・金管楽器・打楽器の4つのセクションがあり、弦楽器の「○型」や木管楽器の「○管」(○には数字が入ります)といった呼び方で、編成や規模を表します。
こうした編成の中で楽器の魅力を引き出すには、組み合わせだけでなく、それぞれの構造や奏法を知ることも大切です。まず楽器そのものを学ぶ「楽器学」、続いて管弦楽のための編曲法である「オーケストレーション」へ進みます。
管楽器や弦楽器を演奏している方は、音の響きや演奏の感覚を想像できることが、アレンジを考える助けになります。
楽式論
MUSICAL FORM
曲には、テーマ(主題)と呼ばれるメロディがあります。『運命』の冒頭のフレーズや、J-POPのサビのはじまりなど、多くの場合、曲の中で何度か登場します。
クラシックのソナタ形式では、テーマが繰り返し登場する構成をとります。J-POPにも、頭サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏から、2番、そして再びサビへ進むような構成があります。こうした曲の構成を分類したものが「楽式」です。楽式論では、その仕組みを学び、曲の印象をどうつくるかを考えます。
各科目の詳しい解説は、旧サイトを別タブで開きます。
IN THE DIGITAL AGE
デジタル時代のエクリチュール
2000年以降、PCを使った音楽制作が広がり、作編曲で扱う内容も変わってきました。楽譜の作成から音楽制作、納品やオンラインでの配信まで、デジタルで進める場面が増えています。音楽を完成させるには、伝統的なエクリチュールに加え、音やデータの扱いについての知識も必要です。音そのものである「音波」、データとして扱う際に大切な「音量」、楽曲として組み立てるための「音響」。こうした知識も、これからのエクリチュールとして捉えています。
※映像に合わせて音楽をつくることを「フィルムスコアリング」といいます。
