flooks_4 管弦楽法


contact_support管弦楽法ってなに?

管弦楽法とは、管弦楽、つまりオーケストラの作曲や編曲に関する技法や理論のことです。管楽器や弦楽器を演奏できる人にとっては、和声法や対位法よりもずっとイメージしやすいエクリチュールかもしれません。

 管弦楽法が難しいのは、生の楽器に触れたり音を聴いてみたりしないと、いくら本を読んでもなかなか身につかないというところです。その点、部活や楽団での演奏経験がある人は強いです!

管弦楽法の内容は、「楽器そのものについての知識」と「配置や組み合わせ関する知識」とに分かれています。前者はオーケストラで使われる各楽器の構造や奏法などで、後者はその知識を使って各楽器をどう使っていくかが論点になっています。前者のことは楽器学、後者はオーケストレーションと呼ぶこともあります。

オーケストレーションはPCを使って学びますが、最近はシュミレートするオーケストラ音源のクオリティも高くなり、「いかにも機械」というような音ではなくなってきました。楽譜を書いて実際に演奏してもらうことでしか学べなかった時代を考えると、ずっとハードルは低くなっています。興味があるなら是非、オーケストラ制作にチャレンジしてみましょう!(このページの最後にバーチャルオーケストラへのリンクがあります)

オーケストラの楽器

オーケストラには「弦楽器」「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」の4つのセクションがあります。各セクションの代表的な楽器は次の通りです。

🎻 弦楽器  バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス
🎷 木管楽器 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット
🎺 金管楽器 ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ
🥁 打楽器  ティンパニ、スネアドラム、シンバル、トライアングルなど

volume_up 弦楽器

オーケストラの中核を担うのは弦楽器です。管弦楽法でも弦に関する内容はかなりのウェイトを占めており、実際の作編曲でもジャンルを問わず活躍の機会が多いため、一番重要なセクションになります。オーケストラのバイオリンは常に2パートに分かれていて、第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの弦五部で構成されます。指で弾くことで弦を振動させることもありますが、基本的には弓で弦を擦ることによって発音します。奏法やアーティキュレーションを意識して書くことが、弦楽器を使った作編曲での最初の目標になります。

volume_up 管楽器

管楽器は「木管楽器」と「金管楽器」とに分かれていますが、管体の材質で分類しているわけではないんです。文字通り木で作られている木管楽器もある一方で、フルートなどは金属製の楽器を目にする機会の方が多いのではないでしょうか。音は空気の振動によって伝わるため、管楽器に限らずどんな楽器でもどこかしらを振動させて鳴っています。その震動源を「リード」といい、唇の振動によって音を出すものを金管楽器、それ以外を木管楽器として分類しています。

木管楽器

木管楽器の振動源にはいろいろなものがありますが、代表的なものは「葦」で作られています。乾燥させた1枚の葦を楽器に固定して振動させるタイプを「シングルリード」、2枚重ね合わせて振動させるタイプを「ダブルリード」、葦は使わず息を楽器に当てて発音するタイプを「エアリード」と分類しています。

オーケストラではクラリネットがシングルリード、オーボエとファゴットがダブルリード、フルートがエアリードの楽器です。弦楽器や金管楽器に比べると、木管楽器はそれぞれの楽器の音色の個性に差があり、しかも音域によってその特徴がかなり変化します。作編曲の際には扱いが難しい反面、組み合わせに大きな可能性のあるセクションです。

金管楽器

金管楽器は奏者の唇を振動源にしています。これは「リップリード」と呼ばれ、金管楽器はすべてリップリードの楽器ということになります。花形はなんといってもトランペットですが、トロンボーン、チューバと、それぞれ得意な音域が分かれており、音色にもある程度の統一感があるため、作編曲の初心者には比較的扱いやすいセクションと言えます。

ホルンは金管楽器ですが、多様な特徴を持っています。ある時は金管の一員として、ある時は木管の仲間として、またある時はホルンだけで独自の路線を展開させることもできる万能選手です。4人で1つのホルンセクションを構成するスタイルも特徴的で、オーケストレーションのキーとなる存在です。

volume_up 打楽器

打楽器には様々な種類がありますが、多くは叩かれることで楽器自体が振動するものです。楽器の音色には振動源が大きく影響しているのですが、打楽器にはいろんな素材のものがあるため、音色も多彩です。音程のある太鼓:ティンパニをはじめ、木琴・鉄琴などのマレットパーカッション、シンバルやトライアングルのようなメタルパーカッション、スネアやグランカッサなど音程のない太鼓類、そしてタンバリンやカスタネットのような小物まで、どの楽器も目立ちやすく曲全体への影響力が大きい分、音色選びが重要になるセクションです。

オーケストレーション

楽器について一通りの理解ができたら、実際にオーケストラを動かします。制作レッスンの中で、想定する楽器をステージに配置し、音を鳴らしながら組み立てていきます。専用のソフトを使用するため、詳しくは バーチャルオーケストラ・DTM のページで紹介しています。


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管弦楽法のレッスン

管弦楽法のレッスンは、PCを使って行う実践形式です。バーチャルオーケストラでオーケストレーションを学びながら、ときには生楽器の録音も交えながら理解を深めていきます。旋律や和音をどの楽器に担当させるか、どう配置するのかを判断するためには、和声法や対位法の知識が必要になる場面も出てきますので、他のエクリチュールも触れながら進めることになります。